何番目かの空白

2016

撮影・編集|室千草
撮影|浜田俊輔
音楽|渡邊崇、 中原実優 、大阪音楽大学ミュージッククリエーション専攻
音響空間デザイン|松尾謙
タイトルデザイン|玉村ヘビオ
パンフレットデザイン|脇原大輔
出演|谷本真理
機材協力|京都造形芸術大学映画学科ラボ
設営協力|新道牧人、ミッキー

2画面映像インスタレーション、デジタル、16:9、カラー、サウンド、13分20秒
Lumen Galleryでの展示風景

 

世の中の風景を全てレイヤー化にわけて思考すると、それぞれの層に物語が存在しているのでは?というストーリーを想定し、黒い壁を所有しているLumenGalleryの空間において、黒い背景を想定して撮影した2画面のインスタレーション展示。
音響は映像から独立した存在として設定し、音響デザインの松尾氏により、人や壁に当たって音が跳ね返る指向性スピーカーの設置と、ギャラリーの壁に小型スピーカーを埋め込み、ギャラリーの空間自体が音により振動している体感を鑑賞者に感じてもらえるように音響デザインしてもらった。一人の人物が2画面を行き来する不均衡なストーリーと、音が身体に侵入するような音響効果により、その場所でしかない風景が存在した。

 




何番目かの空白

夜、「空白が空白のままだ」と
ある人がつぶやく
私はいろんな場所の古いポストカードをパラパラとめくっていた
古めかしく退色したポストカードは
時代がよくわからない

静止してしまった時間を少し動かしてみたくなり
はさみでポストカードを切り刻んでみる

切った穴から向こう側を覗くと
特別なレンズのようで違う世界のように感じた

夜の闇を切ったら
向こう側にはなにがあるのだろう

すると、上から何かが降ってきた
さっき私がきりきざんだポストカードの破片だった



Lumen Gallery(京都)でのインスタレーション風景